
色品質の最適化
色を整える技術、その秘密
色再現は、単なる数値管理だけでは語れません。理論と感性、どちらも兼ね備えてはじめて「伝わる色」は生まれます。池田印刷は、美術系印刷で培った感性価値と、数値管理に基づく技術を融合し、パートナー工場と連携することで、高品位なカラー表現を提供しています。 このページでは、その背景にあるアプローチをご紹介します。
印刷会社の違いが色に与える影響
印刷工場ごとに、管理基準や設備特性には違いがあります。 その特性の差が、色の安定性や仕上がりの表現力に影響します。
特性が異なる場合に起こりやすい課題
- ロットごとに色が変わる
- モニターや校正で見た色と仕上がりが合わない
- 気候(湿度・温度)や機械の状態により色ムラが出る
安定した色再現を実現するポイント
- ISO・環境基準を踏まえた品質管理
- カラーマネジメント(CMS)による定量管理
- 定期的なメンテナンスとオペレーター教育
池田印刷は、環境配慮と品質管理の観点から厳選した外部パートナーと連携し、
一貫した品質基準のもとで印刷を行っています。
その取り組みにより、常に高い再現性を持つ色づくりを実現しています。
工場と連携できるかどうかで変わる仕上がり
印刷会社を「単なる出力先」とするか、 それとも「仕様や色の意図を共有するパートナー」とするかで、仕上がりは大きく変わります。
連携が不十分な場合
- 出力側との情報共有が不足し、データの意図が正確に反映されない
- 校正段階と本番印刷で色がズレても原因追及が困難
- トラブル発生時の対応が後手に回る
連携が取れている場合
- データ補正の意図を印刷側が理解し、最適な調整が可能
- 用紙・インク・加工特性を踏まえた提案がしやすい
- トラブル発生時も迅速にフィードバック・再現できる
池田印刷は、工場との密な連携により、
データ作成から印刷工程まで一気通貫でサポートできる体制を持っています。
データから仕上がりを設計するアプローチ
印刷における色再現は、単に「RGBをCMYKに変換する」だけでは理想に届きません。 多くの印刷会社が行う補正作業に加えて、池田印刷はお客様の理想の仕上がりを実現するためのアプローチ力に特長があります。
完成まで見据えたヒアリングと提案
- お客様が求めるゴール(ブランドの印象・販促効果・美術表現)を正確に捉えるため、綿密なヒアリングを実施。
- その理想に合わせて、どこまで忠実に再現し、どこで印象を高めるかという視点で提案します。
- 用紙・インク・加工方法まで含めた完成イメージを提示し、最適なデータ設計を導きます。
もう一段上のクオリティを生む細密補正
- 池田印刷では、全体を均一に補正するのではなく、仕上がりの印象を左右する重要な部分を見極めて補正します。
- ハイライトからディープシャドウまで細かく切り分け、各版ごとに1%刻みで補正するアプローチにより、微妙な色のニュアンスまで再現可能。
- 結果として、自然でありながら印象的な“伝わる色”に仕上げます。
理論と感性を融合した設計思想
- 数値による管理だけでなく、長年の経験から培った感性価値を掛け合わせることで、お客様のイメージを紙の上で最も美しく表現するアプローチを実現します。
池田印刷の色づくりは、ヒアリング力・提案力・細密な補正技術を三位一体で活かしたアプローチ。
一般的な補正作業の枠を超え、感性価値に直結する設計力で、理想の仕上がりへと導きます。
デジタルで見えていた色が、印刷では変わる理由
デジタル撮影やデザイン制作においては、画像は一般的にRGBというカラーモードで扱われています。しかし、印刷工程ではCMYKが用いられ、RGBとCMYKでは再現できる「色の範囲(色域)」が異なります。 とくにAdobe RGBなど広色域のRGBデータでは、鮮やかな緑・青・赤など、CMYKの色域を超える色を含むことが多く、それらは印刷時に失われてしまいます。 この色域の違いこそが、「モニターで見たときと印刷物の色が違う」原因のひとつです。

色を失わずに、理想の仕上がりに近づけるには
池田印刷では、この色域の違いによる損失を最小限に抑え、意図した仕上がりに近づけるための設計力を強みとしています。
たとえば…
・色変換によって失われがちな彩度や階調を、あらかじめ補正してからCMYK化
・色域外の色をどのように置き換えるかの判断(レンダリングインテント)も、案件により最適化
・肌色やブランドカラーなど、重要なポイントだけを部分的に補正
こうした細かな調整を通して、ただ変換するのではなく、完成形を逆算した“データ設計”を行います。
色変換と補正、それぞれのタイミングが品質を左右する
池田印刷では、CMYK変換の前後どちらで補正すべきかも、案件に応じて柔軟に対応します。
CMYK変換後に補正する方法は、実際の出力結果に近い状態で確認・調整しやすいという利点があります。
一方で変換前(RGBの段階)で補正を施す方法では、色域の差による色ズレを最小限に抑えやすく、画質の劣化も軽減されます。
いずれの方法を取るにしても、補正の回数が多いほど品質は劣化するため、最小限の工程で最大の再現性を引き出す必要があります。
そのため、池田印刷では…
色変換前に、どの色が失われるのかをシミュレーション
Photoshopの「色の校正」「色域外警告」などを活用
必要に応じて、ターゲット補正の前後比較を繰り返す
これらを徹底し、お客様のイメージに限りなく近い印刷再現を実現しています。
「色を整える」という思想が、印刷の信頼につながる
RGB→CMYKの変換は、単なるテクニカルな作業ではなく、印刷品質の根幹を担うプロセスです。
池田印刷では、「元データが良ければ綺麗に出る」ではなく、印刷でどう見えるかを前提に、データを整えていく視点を大切にしています。
印刷の知識をもったスタッフが、クリエイティブと技術の間に立ち、“伝わる色”へと導く設計を支えています。
数値と感性のバランスが生む「伝わる色」
印刷の品質管理では、濃度やΔE(色差)など数値管理が重要です。
しかし、それだけでは「美しい色」にはなりません。
- 同じ数値でも、人の目に美しく見えないことがある
- 最終判断には、経験と感性による微調整が必要
池田印刷の色づくりは、
「理論+感性=伝わる色」という考え方がベース。
数値で安定させつつ、人の目と経験で仕上げることで、印刷物の魅力を最大化します。
まとめ・ご相談
「画面と印刷の色が合わない」「校正と本番で色がズレる」
そんな悩みをお持ちなら、ぜひ一度ご相談ください。